元恋人同士、5日だけの濃密エロス…柄本佑×瀧内公美が語る衝撃作

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 かつて恋人同士だった直子と賢治。再会した2人は直子の婚約者が戻るまでの5日間だけとの約束で、再び体を重ね合った二人がたどり着く先は? 芥川賞作家の白石一文さんの小説をベースに、荒井晴彦さんが脚色・監督した『火口のふたり』に主演の柄本佑さんと瀧内公美さんにインタビュー。

 大胆な濡れ場も話題の本作の見どころを、女性読者に向けて語ってもらいました。

◆関係しちゃったもんはしょうがない。

――お互いの印象を教えてください。

柄本佑さん(以下、柄本)「明るい方です。とっても明るい方でした。でも、ただ明るいだけじゃなくて、きっとインドアなんだろうなと感じさせる、どこかに陰も明るさがある方、という印象です。あとは度胸の据わり方が並外れているので、そこは、この映画をやるにあたって、僕も監督スタッフも、助けられていたと思います」

瀧内公美さん(以下、瀧内)「佑さんは物知りな方で職人気質な感じがしました。自然体で寡黙な方でした。佑さんの前ではあまり喋らないでおこうと思っていました。自分の天然ボケな感じがばれるので(笑)」

――お二人が演じられたからか、作品を拝見する前に受けた印象とはまた違う、青春映画のような軽やかさがある作品でした。賢治と直子の関係性を、どう感じましたか?

柄本「子供の頃から一緒に育ってきたふたりで、『近親相姦のようで嫌だと思っていた』といったセリフもありますが、なっちゃったもんはしょうがないだろと思いますね。もうそうなっちゃったんだから。単純に、肌が合うんだという。二人が実感していることですから。それは誰にも否定できないし、二人以外の誰にも分からないことだよなと思います」

瀧内「演じるにあたって、賢ちゃんのことが好きだという気持ちを大切にしていましたね。似たようなふたりなんだろうなというのも。それは、直子が早くに母親を亡くして、賢ちゃんの家で育ったというのもありますけど、直子のほうから寄せていたという感じ。賢ちゃんがいなくなると追いかけて東京に出て、賢ちゃんに婚約者が出来ると田舎に帰る。直子にとって、自分の居場所にしている人なのかなって」

―― 一見、直子のほうがちゃんとしているように見えますが、直子は賢ちゃんのところに自分の場所を置いていると。

瀧内「そんな気がしますね。ただこの5日間が始まる前までは、そうした関係に決別するつもりだった。それにこの関係性は直子が巻き起こしたものでもあると思います」

柄本「そうだよ。再会して勝手に火をつけておいて、あとはひとりで消せって言われても、賢治としてはそんなの無理だよねぇ(笑)」

◆濡れ場はアクションシーンのひとつ

――濡れ場のシーンで心がけたことはありますか?

柄本「アクションシーンのひとつなので。殺陣を覚えるのと一緒です。ト書きに事細かく書かれてるんですよ。ここであえぐとか、ここで足を絡ませるとか。全部。何も考える必要がないくらい。ただ、夢のようなセックスではなく、日常のセックスであることは意識しました」

瀧内「出会って恋に落ちたばかりの二人のセックスではない。日常の匂いがしないといけないと。私が難しく感じたのは、女優がどうすれば濡れ場で美しく映るのかという点を、私は不勉強だったので、多くの濡れ場、エロスを描いてきた荒井さんに教えていただきました。ここで、体をしならせる、とか。足を1度回す、とか。伝統を受け継いだ感じがありました(笑)」

◆風景なんかと一緒に気持ちよく観てもらえる作品

――女性読者にどう見てもらいたいですか?

瀧内「男と女の気持ちがしっかり描かれている作品だと思います。男女の考え方の違いだったり、居方だったり、二人しか出ていないからこそ丁寧に描いているので、共感できるところや、発見があるんじゃないかと思います」

柄本「女性の方にかぁ。難しいなぁ。でも、聞くところによると女性の評判のほうがいいらしいんですよ」

――直子のキャラクターのほうが共感しやすいんですかね。

柄本「どちらかというとそうなのかもしれないですね」

瀧内「彼女のほうから仕掛けている出来事だったりしますし。現実的にありえない出来事でもありません。自分にも同じような思い出がありますという人もいるでしょうし、私もしたかったなという人もいるんじゃないでしょうか」

柄本「セックス描写とかいろいろ言われたりしますが、自然な人間の営みとして捉えて撮っています。だから、食事のシーンと寝るシーンとセックスのシーンが等号上にある。そのうえで、最終的にセックスだけになっていって、どんどんシンプルになっていった先に、また始まっていく。そうした思考の抜けの良さみたいなものを感じてもらえるんじゃないかな。うん。抜けのいいセックスを、風景なんかと一緒に気持ちよく観てもらえる作品だと思います」

<文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。 

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