ズタボロだった浜崎あゆみを救った天使のような長瀬智也

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 浜崎あゆみの自伝的小説『M 愛すべき人がいて』(幻冬舎)は、発売後すぐに増刷され爆発的な売れ行きを見せているという。1998年に歌手としてデビューした浜崎あゆみは、翌年にはトレンドを席巻しスターの領域に踏み込んだが、デビュー前からエイベックス代表取締役会長CEOを務める松浦勝人氏に恋い焦がれ、当時のヒット曲はいずれも松浦氏への恋心を綴ったものだったことが同書で明かされた。

 あくまでも小説であり「事実に基づくフィクションである」との前置きはあるが、多く脚色しているとはいえ松浦氏との恋愛は事実なのだろう。子役として芸能界デビューし、サンミュージックに所属する売れないアイドル女優だった浜崎あゆみは、16~17歳の頃にヴェルファーレのVIPルームで松浦氏と出会い、電話番号を聞かれる。

 当初、松浦氏は既婚者なうえ不倫相手までいたため、恋心を秘めたままにしていた浜崎あゆみ。彼への思慕を歌詞に綴り、デビュー前にいくつもの曲を作りためたという。しかしデビュー曲のレコーディングが終わった頃、妻と正式に離婚した松浦氏に浜崎あゆみはラブレターをFAXで送信。すると松浦氏は不倫相手とは別れて浜崎あゆみと真剣交際をはじめ、同棲生活をスタートさせる。

 芸能界の隅っこにいた10代の浜崎あゆみが、30代の大人の男で気鋭の音楽プロデューサーだった松浦氏(しかもオラオラスタイルで引っ込み思案の彼女をグイグイ引っ張っていく)に惚れるのは自然なことだった。当時はまだ「いつか許される日が来たら、私は、マサと私の子供のためだけに歌う母になりたい」と願うほど、浜崎あゆみは“普通”の少女だったようである。

 デビュー前にいくつもの楽曲をストックし、用意周到に浜崎あゆみは売り出された。1998年4月のデビューシングル「poker face」を皮切りに、浜崎あゆみはわずか数カ月で5枚ものシングルCDをリリースした。6月「YOU」、8月「Trust」、10月「For My Dear…」、12月「Depend on you」。いずれもCMや番組のタイアップつきである。この時点で“女子高生”のトレンドになりつつあったが、翌1999年1月のファーストアルバム「A Song for ××」で人気の火はさらに燃え広がった。

 99年も2月、4月、5月と連続でCDをリリースし、7月の「Boys & Girls」はオリコン1位を獲得。こうして浜崎あゆみはたった一年で、松浦氏の計画通りかまたはそれ以上に大きなアイコン的存在となった。ただ、同年11月にリリースした「appears」の歌詞は、二人の関係が終わりに近づこうとしていることを歌っていた。

 2000年には完全に破局。浜崎あゆみが同年4月にリリースした「vogue」、5月「Far away」、6月「SEASONS」は、いずれも別れの悲しみを歌っており、ファンに“絶望3部作”と呼ばれている。12月にリリースした「M」は、松浦氏との決別を意味していたという。

 この小説に浜崎あゆみが寄せたコメントに、「自分の身を滅ぼすほど、ひとりの男性を愛しました」とある。ただ彼女がそれから全盛期を迎え、約10年にわたり日本のヒットチャートTOPに君臨したことを思えば、松浦氏との恋が彼女の身を滅ぼしたとは思えず、むしろ見事な立身出世だ。

 ただ2001年、当時の雑誌「噂の真相」が同年の3月下旬に松浦氏が東京都内のホテルで多量の睡眠薬摂取と飲酒により倒れ、救急搬送されたと報じていた。その時期、松浦氏が浜崎との関係のみならず様々なプロジェクトや金の問題を抱えて苦悩していたことが伝えられたが、真相は藪の中だ。松浦氏もまた、苦境に立たされていたのかもしれない。

 そして当時の浜崎あゆみファンが気になったのは、愛する男(松浦氏)との別れで失意のどん底にあった浜崎あゆみを、立ち直らせた次の恋人の存在だろう。もちろんこの小説には一切登場しないが、破局翌年である2001年に浜崎あゆみはTOKIO長瀬智也との熱愛が発覚している。長瀬智也はと浜崎あゆみは頻繁に写真週刊誌にツーショットを撮られるほどオープンな交際を続けた。この二人があまりにもお似合いだとして、ファンは大いに祝福した。



 2002年の曲「independent」や2003年「ourselves」「ANGEL’S SONG」などは、いかにも長瀬との恋愛を歌っているようだ。二人はお揃いのタトゥーをそれぞれの肩(背中側と胸側)に刻み、それはハートマークと翼のイメージになっていた。

<君はとなりに寄り添い ワケのわからぬ事を話してる
不器用にでも何とか 励まそうとしてる>(independent)

<ねえ君は確かに突然現れ私の暗闇に光射した>
<君は背に天使の羽を持つ>(ANGEL’S SONG)

 長瀬智也といえば、フジテレビのニュース番組『FNNレインボー発』を「れいんぼいっぱつ」と読み間違えていたというエピソードをはじめ、天然ボケとおおらかな性格は男女問わず人気。

 小説のラストで浜崎あゆみは、次のように言う。

<二人で作り上げた“浜崎あゆみ”は、マサにも、あゆにも、手に負えないモンスターになってしまったね。でも、このモンスターから、あゆは逃れられないのでしょう。決して逃げてはいけないのでしょ、ねえ、マサ……>

 そして絶望三部作につながるわけだが、絶望から一転、2001年の浜崎あゆみは腰にしっぽをつけて<こんな時代に生まれついたよ だけど君に出会えたよ>と高らかに歌う「evolution」を1月にリリースし、快進撃を続ける。不安や悲しみではなく、希望や愛する人への思いを再び歌っていく。そこに長瀬智也の存在があったことは確かなのだろう。 

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